西郷隆盛の犬の名前と真相!ツンだけじゃない13頭一覧と銅像の謎
西郷の愛犬たちを語る上で欠かせないのが、鹿児島固有の地犬である薩摩犬(さつまけん)の存在です。日本古来の狩猟犬の流れを汲むこの犬種には、現代の家庭犬にはない特異な能力と歴史がありました。
薩摩犬の特徴は、ピンと直立した鋭い三角耳、太く力強い左巻きの巻き尾、そして獲物を決して逃さない強靭なアゴと引き締まった筋肉質な体躯にあります。極めて勇敢な性質を持ち、ウサギやキジなどの小動物だけでなく、自らの何倍もある巨大なイノシシやシカに対しても一歩も引かずに立ち向かう闘志を秘めていました。その一方で、飼い主に対しては絶対的な服従と忠誠を示す気配りの細やかさを持っていたとされます。
しかし、明治以降の洋犬の流入や昭和期の戦争による混乱、さらには無計画な交雑が進んだ結果、純血種の数は激減しました。昭和後期には「絶滅した」と囁かれるほど壊滅的な打撃を受け、薩摩犬絶滅の経緯は日本の在来犬種保存における痛恨の歴史として刻まれています。
現在も鹿児島県内の保存有志や愛犬家ネットワークによって血統の復元・保存活動が地道に続けられています。南九州の山間部に残されていたわずかな血統を辿り、在来犬の遺伝子プールを守る取り組みは今も進行形であり、西郷どんが愛した名犬の血筋を絶やすまいとする情熱が受け継がれています。