変幻自在の演技派が見せる「50代の深化」—俳優・前川泰之が突き進む独自の表現世界と私生活の美学
1990年代、彼は日本のファッションシーンを代表するトップモデルとして第一線に君臨していた。海外の有名ブランドのショーに立ち、洗練されたスタイルで一世を風靡した経験は、彼に強い美意識と客観的な自己プロデュース力を植え付けた。しかし、その輝かしい実績に甘んじることなく、2000年代半ばに俳優への完全転身を決意する。
モデルから俳優への転向は、決して平坦な道のりではなかった。セリフのニュアンスや全身を使った感情表現など、静止画の世界とは異なる壁に何度もぶつかったという。それでも愚直にレッスンを重ね、泥臭く現場経験を積むことで、彼は一歩ずつ「役者・前川泰之」としての確固たる足場を築き上げていった。