【2026年最新論考】なぜマキタスポーツは「時代の預言者」と呼ばれるのか? 映画・音楽・食文化を横断する50代バイプレイヤーの狂気と愛
俳優としての彼の大きな転機といえば、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)での顧問役を挙げる者が多い。あの作品で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した時、彼はすでに40代を迎えていた。遅咲きとも言える本格的な俳優デビューだったが、そこからの快進撃は周知の通りである。
スクリーンにおける彼の最大の武器は、「どこにでもいそうな中年男」の皮膚感覚を纏いながら、その皮一枚下に蠢く滑稽さや凄み、狂気を瞬時に滲ませる圧倒的なリアリティだ。数々の社会派ドラマやサスペンス映画で見せる複雑な内面描写は、単なる脇役の域を完全に超えている。観客は彼が画面に映った瞬間、「この男は何かをやらかすのではないか」という心地よい緊張感を覚えるのだ。