広瀬アリス主演『L-エル-』愛と波乱の壮絶人生と隠された真実
『L-エル-』が発表された2010年代半ば、日本の音楽業界はシングル中心の配信スタイルへの移行期にあった。そうした時代背景において、CD1枚を一冊の小説のようにまとめ上げたトータルコンセプトアルバムの発売は、極めて野心的な試みであった。
ヴィジュアル系というジャンルが培ってきた豊かな表現力とドラマ性をベースに、ポップスファンをも巻き込むキャッチーなメロディラインを融合させたyasuの手腕は極めて高い。avex traxからのリリースというメジャーなプラットフォームを通じて、これほど暗く重厚な物語を高水準のエンターテインメントへと昇華させた功績は大きい。
単に楽曲を並べるだけでなく、視覚、文章、音響が一体となった総合芸術としてのパッケージを提示した本作は、ヴィジュアル系シーンのみならず、邦楽CD作品の新たな可能性を切り拓いた記念碑的作品として位置づけられている。