市田柿の白い粉はカビ?知られざる正体と一番美味しい旬・保存法を徹底解説
市田柿の収穫は毎年10月下旬から始まりますが、収穫後すぐに市場へ並ぶわけではありません。皮むき、天日・人工乾燥、そして門外不出の揉み出し・粉出し工程を経て、本格的な旬の出荷時期は12月上旬から翌年2月頃となります。お歳暮やお正月用として12月中旬〜1月が最も流通量が多く、糖度が乗り切った最高の食べ頃を迎えます。
日本の干し柿には古くから様々な種類がありますが、市田柿が他の干し柿と一線を画す理由は、その「水分含有率」と「独自のサイズ・食感」にあります。福島県などの「あんぽ柿」が水分量50%前後のジューシーで半熟なゼリー状であるのに対し、山梨県などの「枯露柿(ころがき)」は水分20%以下までしっかり乾燥させた大粒で硬めの伝統派です。市田柿はその中間に位置する水分量25〜30%前後に精密コントロールされており、外側は適度に引き締まり、内側は羊羹のように滑らかでもっちりとした比類なきテクスチャーを実現しています。
市田柿は2016年に農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。長野県南信州地域特有の「天竜川から立ち込める深い川霧(朝霧)」と「冬の強い放射冷却」という極端な寒暖差がなければ、この上品な甘さと美しい白粉は生まれません。GIマークが付いた商品は、栽培から加工まで地域固有の厳格な基準をクリアした本物の証です。