Bl界隈を揺らす新概念「カントボーイ」とは?身体と性の境界線
このモチーフの震源地は、英語圏のスラッシュ(二次創作)コミュニティにある。2000年代後半から2010年代にかけて、ソーシャルブログプラットフォームのTumblrや、世界最大のファンフィクションアーカイブ「Archive of Our Own (AO3)」において、タグの一つとして爆発的に定着した。
海外のファンコミュニティでは、既存の商業作品が描かないクィアな身体性を自らの手で補完・拡張する「リクレイム(再奪取)」の文化が根強い。男性キャラクターの身体を規定の枠から解放し、オルタナティブな肉体関係を描き出す試みとしてタグが機能していたのだ。
現在ではpixivなどを通じて日本語圏のクリエイターへも逆輸入され、イラストや同人小説のモチーフとして定着しつつある。言語の壁を越えたオタクカルチャーの越境が生み出した、極めて現代的なハイブリッド現象と言えるだろう。