嘘を暴き正義を問う!息を呑む法廷バトルと傑作裁判ドラマの深層
日本の法廷コメディにおける不滅の金字塔といえば、稀代の脚本家である古沢良太が生み出した『リーガル・ハイ』をおいて他にない。清廉潔白な正義感を嘲笑い、ただ「勝つこと」のみに執着する毒舌弁護士・古美門研介という怪物を、堺雅人が圧倒的なマシンガントークと怪演で見事に具現化した。
この作品が画期的だったのは、綺麗事としての正義を完膚なきまでに解体した点にある。裁判で争われるのは真実ではなく、あくまで提出された証拠と手続きの美しさであるという冷酷な原則。早口で捲し立てられる長台詞の奥底には、人間の醜さを受け入れた上での強烈な人間肯定が潜んでいた。日本のテレビドラマ史において、法律の冷徹さと人間の業をここまで痛快に融合させた試みは極めて稀有である。