巨艦はいかにして激動の荒波を制するのか——西村あさひ法律事務所が描く2026年の勝算と法曹界の地殻変動
国境の壁がかつてなく高くなる時代だからこそ、クロスボーダー案件の複雑性は跳ね上がる。欧米のいわゆる「マジックサークル」やウォール街のホワイトシュー・ローファームが世界市場を席巻する中、日本のメガファームが独自のプレゼンスを維持することは容易ではない。
西村あさひが選んだ道は、単純な提携にとどまらない自前ネットワークの拡張と現地トップタレントの直接登用だった。とりわけ欧州市場やASEAN主要国における拠点機能の強化は、日本企業による現地企業の買収だけでなく、アジア企業同士のディールにおける主幹事獲得という果実を生み始めている。単なる「日本法のアドバイザー」から「多国籍ディールを統括するグローバルリード」への脱皮。その成否が、2026年現在の国際案件市場で厳しく試されている。