足の小指骨折のテーピング巻き方と全治期間|痛みを即防ぐバディ固定法
固定処置は「強固に固定すればするほど安心」という単純なものではありません。誤った知識に基づいたテーピングは、骨癒合を阻害するばかりか、不可逆的な神経麻痺や皮膚の組織壊死といった重大な合併症を引き起こす危険性を孕んでいます。
外傷診療の現場で医師が頭を抱える典型的な悪化させるNGな巻き方には、明確なパターンが存在します。
NG例1:ゴムのように引っ張りながら巻く「過剰圧迫」
テープの支持性を高めようと、力任せにテープを伸長させながら何周もきつく巻きつける行為です。足の指の動脈・静脈は非常に繊細であり、過剰な圧迫は末梢の循環障害を即座に引き起こします。処置後数十分が経過して「指先が白っぽくなっている」「赤黒く鬱血している」「ジンジンとした痺れや冷感を覚える」といった症状が出た場合は、直ちにハサミでテープを切断して巻き直さなければなりません。
NG例2:骨折部位の真上を強く押さえつける「ピンポイント圧迫」
骨が折れて変形しかけているまさにその部位を、上からテープで無理やり締め上げて平らに押し戻そうとする行為です。骨折端同士が擦れ合って周囲の骨膜や軟部組織を損傷し、出血と炎症を増幅させるだけでなく、耐え難い神経痛を生じさせます。
NG例3:関節を直角に曲げた状態でのテーピング
足指の関節が曲がった状態でテープを密着固定してしまうと、骨が曲がった角度のまま固まる「屈曲拘縮」を残す原因となります。固定を行う際は、薬指と小指が真っ直ぐ伸展したニュートラルな位置を維持しながらテープを貼付してください。
就寝時のテーピング方法|無意識の圧迫と血行障害を回避する処置
夜間の就寝中は、日中とは異なる身体環境への配慮が求められます。睡眠時は副交感神経が優位になり末梢血管が拡張する一方で、下肢の運動量がゼロになるため、患部にむくみ(浮腫)が急速に蓄積しやすい状態となります。
日中と同じ強いテンションのまま就寝すると、深夜から早朝にかけてむくみが増大した際、テープが指に食い込んで激烈な絞扼痛(締め付けられる痛み)で目が覚める事態に陥ります。就寝前のテーピングは、日中よりもテンションを1〜2割緩めて貼り替えるのが原則です。
さらに見落とされがちなのが「掛け布団の重み」による外力です。仰向けで寝ている際、厚手の冬用掛け布団や毛布の荷重がつま先へ垂直にかかり続けると、小指が過度に底屈(下向きに押し曲げられる)され、骨折部が開くストレスを受け続けます。足元に畳んだ毛布やクッションを置いて掛け布団を持ち上げる「布団トンネル」を作るか、小指が圧迫されない体勢を確保して就寝することが肝要です。