菅田将暉の全盛期はいつか?受賞ラッシュから円熟の現在まで徹底分析
菅田将暉の演技力が高く評価され続ける根底には、外見をガラリと変えるコスプレ的な器用さではなく、「役柄の生活感や生理的な嫌悪感まで引き受ける覚悟」があります。
映画『あゝ、荒野』の現場において、菅田はプロボクサーのライセンス取得に近い過酷なトレーニングをこなし、食事制限によって体脂肪を削ぎ落としました。しかし現場スタッフを驚かせたのは筋肉のつき方ではなく、「リング上で対戦相手と対峙した際に見せる、飢えた野犬のような濁った視線」でした。共演した俳優陣からも「カメラが回っていない時間でも、近寄りがたい異様な集中力を発散していた」と証言されています。
一方で、『花束みたいな恋をした』や『ミステリと言う勿れ』では、その攻撃的なオーラを完全に消し去り、どこにでもいる平凡な青年のだらしなさや、偏屈ながら論理的な思考を持つ青年の淡々とした佇まいをごく自然に表現してみせます。監督の意図を瞬時に読み解く論理的知性と、本番で感情を爆発させる動物的直感。この相反する二面性を高度に融合させている点こそが、映画監督たちがこぞって「いま一番撮りたい俳優」として彼の名を挙げ続ける理由です。