インプラント不要の未来へ!「歯生え薬」が変える歯科治療の衝撃
失われた歯が再び生えてくる。そんな魔法のような治療を実現するのが、公益財団法人医学研究所北野病院の歯科口腔外科主任部長・高橋克医師らの研究チームが手掛ける歯生え薬創薬プロジェクトだ。
人間の歯は、乳歯と永久歯の2セットしか生えないと考えられてきた。だが、科学者たちは人間にも「第三の歯」の芽(歯胚)が潜在的に備わっていることを突き止めた。通常、この芽の成長は「USAG-1」と呼ばれる特定の蛋白質によって抑制されている。研究チームは、このUSAG-1の働きをピンポイントで阻害する抗体医薬品を開発した。分子のブレーキを解除することで、休眠していた歯芽を活性化させ、本物の歯を自生させる仕組みだ。
かつて京都大学のラボで産声を上げたこの基盤研究は、動物実験で劇的な成果を上げた。先天性無歯症のモデルマウスやフェレットに中和抗体を投与したところ、みごとに第三の歯が形成された。削って埋める治療から「生やす治療」へ。再生医療のフロンティアが、ここにある。