なぜ高い場所に?コウノトリの巣の秘密と2026年最新の営巣事情
コウノトリの繁殖サイクルは、冬の終わりから春先にかけて本格化します。毎年2月下旬から4月頃にかけてが産卵のピークとなり、通常は1〜2日おきに合計3〜5個前後の白い卵を産み落とします。
産卵後は、オスとメスが交代しながら片時も離れずに卵を温める「抱卵」が始まります。強い風雨や寒さの日も、親鳥は自らの羽毛で卵を冷気から守り抜きます。約1カ月(30日前後)の抱卵期間を経てヒナが無事に孵化すると、巣の上は一気に活気づきます。
孵化直後のヒナは全身が薄い綿毛に覆われ、自力で立つこともできません。親鳥はドジョウ、フナ、カエル、バッタなどを胃袋に蓄えて巣へ持ち帰り、吐き戻してヒナに与えます。ヒナの食欲は旺盛で、成長に伴い「カタカタカタ…」と激しくクチバシを打ち鳴らす「クラッタリング」を見せるようになります。
誕生から約2カ月が経過する初夏の頃、親鳥と変わらない大きさに育ったヒナは巣の上で羽ばたき訓練を重ね、やがて大空へと飛び立つ「巣立ち」の瞬間を迎えます。兵庫県豊岡市や各地の営巣地では、この巣立ちが無事確認されるたびに地域コミュニティから歓声が上がります。