街道を揺るがす叩き音の魔力!トラックマニ割り構造と車検対応術
この特異な改造文化のルーツを辿ると、1970年代の高度経済成長期に行き着く。日本列島を熱狂の渦に巻き込んだ映画『トラック野郎 御意見無用』の封切りを契機に、デコトラ(アートトラック)と呼ばれる絢爛豪華な装飾トラックは一躍スターダムへ駆け上がった。主演の菅原文太が演じる一番星号の勇姿に憧れ、若きドライバーたちは競うように愛車を着飾り、街道へと繰り出した。
そのムーブメントの中心にいたのが、伝説的カリスマの宮崎靖男を筆頭とする全日本アートトラック連盟 哥麿会の面々である。電飾やステンレスのデッキを組むだけでなく、走行時の存在感を決定づける聴覚のカスタムとして排気系への加工が密かに広まっていった。当時の『トラック野郎』シリーズのフィルムに刻まれた泥臭くも力強いトラックの姿は、男たちの労働美学の象徴だった。
現場の鍛冶屋やカスタムショップの手探りから始まった配管加工は、時代の変遷とともに洗練され、やがて日本独自のモータリゼーション文化として世界に知られる礎を築いた。