初代オスカル榛名由梨が語るベルばら誕生秘話と革新の男役像
男役の歴史は、榛名由梨の登場前と登場後で明確に分かれる。それまでの宝塚の男役が持っていた古典的な様式美に、彼女は現代的なシャープさと濃密な人間味を注ぎ込んだ。ただ男らしく振る舞うのではない。内面の葛藤、セクシャリティの境界線を揺るがす艶やかさ、そして舞台全体を支配する圧倒的な華やかさ。
この革新的なアプローチこそが、後進のタカラジェンヌたちに決定的な指針を与えることとなった。甘美でありながら鋭利。少女の憧れを具現化しつつ、人間の本質を描き出す。彼女が築き上げた男役の美学は、時代を超えて現代のステージにも脈々と受け継がれている。