静岡を襲う南海トラフ巨大地震 被害想定と今すぐ備えるべき理由

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静岡県の防災を語る上で、かつて「東海地震」という言葉が頻繁に使われていた。東海地震は、駿河湾から遠州灘にかけての限定的な震源域で発生する地震を指し、静岡県を中心に甚大な被害が想定されていた。しかし現在の政府方針では、東海地震を単独で捉えるのではなく、南海トラフ沿いで連動して発生する南海トラフ巨大地震の一部として扱う考え方が主流になっている。

ここにネット上の誤解が生まれやすい。「東海地震はもう起きないのか」「想定が変わったのか」という声を目にすることがあるが、正確には「東海地震だけを切り出して予知・対策する時代から、南海トラフ全体を連動させた巨大地震として捉える時代へ移行した」というのが実情だ。被害想定の範囲はむしろ広がり、静岡県のリスクが軽減されたわけではない。

もう一つの盲点は、津波避難タワーや避難ビルが絶対安全ではないという現実である。浜松市や静岡市は津波避難施設の整備を進めているが、収容人数に限りがあり、地震の揺れで建物自体が損傷する可能性もある。また、夜間・悪天候時の避難では、日中とは全く異なる判断力と体力が求められる。ハザードマップに示された避難場所にたどり着くこと自体が、極めて困難になるケースを想定しておく必要がある。

さらに、内陸部の住民にも関係するのが長周期地震動と液状化のリスクだ。静岡市の中心市街地には高層ビルが立ち並び、地震の揺れが遠くまで伝わる長周期地震動によって、エレベーターの停止や家具の転倒、ガラスの破損が広範囲で発生すると予想されている。津波が来ない地域だから安全、という認識は、南海トラフ巨大地震の全体像を見誤らせる危険がある。

斉藤 蓮

斉藤 蓮

デジタルマーケティングコンサルタント

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。