「おずおずと」の本当の意味は?気後れする感情のニュアンスと使い方
近代日本文学の最高峰の一つとされる太宰治の代表作『人間失格』。この作品においても、「おずおず」という語は登場人物の孤独や他者への恐怖、そして切ないまでの遠慮を表現する重要なキーパーツとして用いられている。主人公の大庭葉蔵が世間に対して抱く圧倒的な気後れと、それでも関わりを捨てきれない葛藤が、この一語によってみずみずしく描かれた。
優れた文学作品における心理描写は、単に情景を説明するにとどまらない。「おずおず」と手を伸ばすその一瞬の描写に、主人公の生い立ちや魂の叫びすら宿るのだ。読者はそのニュアンスを感じ取ることで、作品の深層へと引き込まれていく。