菅野美穂伝説の写真集『Nudity』涙の真相と20歳決断の裏側
『NUDITY』を語る上で欠かせないのが、発売直前の1997年8月18日に開かれた緊急記者会見です。写真集の出版記念会見であるにもかかわらず、黒を基調としたシックな衣装で現れた菅野美穂は、無数のフラッシュを浴びるなか、突如として大粒の涙を流し言葉を詰まらせました。
この涙の理由を巡っては、当時から多くの憶測が飛び交いました。一部では「事務所に騙されて脱がされたのではないか」という疑惑すら報じられましたが、彼女自身は会見で「騙されたわけではありません」「自分で決めたことです」と気丈に主張。しかし、その表情には明らかな葛藤と疲弊が滲み出ていました。
涙の背景にあったのは、本人が思い描いていた「作品性」と、周囲の大人たちが仕掛けた「センセーショナルな商業展開」との決定的なズレでした。篠山紀信との間で共有されていたはずのアート志向が、いざ発売となるとマスコミ向けの過激な見出しやワイドショーの格好の餌食となってしまったこと。さらに、最も大切にしていた両親への報告のタイミングや世間からの激しいバッシングへの恐怖が、20歳の少女の心に耐え難い重圧としてのしかかっていたのです。