世論調査の数字はどこまで本当か?報道が隠す歪みと裏のカラクリ
世論の歪みは、既存オールドメディアの電話調査だけに留まらない。デジタル空間における世論の可視化は、さらに危険な領域へと突入している。かつてNetflixで世界中に衝撃を与えたドキュメンタリー映画『グレート・ハック: SNS史上最悪のスキャンダル』が描いた、データ不正利用とプロパガンダによる大衆扇動の悪夢は、いまや日本のネット空間でも日常の風景となった。
X (旧Twitter) のトレンドワードやYahoo!ニュースのコメント欄に溢れる意見は、一見すると生々しい国民の怒りや熱狂に見える。だが、その実態は特定の政治勢力や利害関係者が放ったボット群、あるいはアストロターフィング(草の根運動の偽装)によって人工的に増幅されたノイズであることが少なくない。
アルゴリズムは極端な言説を優先して拡散し、対立を煽ることでエンゲージメントを稼ぎ出す。このデジタル上の「作られた熱狂」をメディアが「ネット上の声」として無批判に引用し、それが既存の世論調査の設問にフィードバックされる。虚構が現実を侵食し、新たな虚構を生み出す悪循環が完成している。