グリーンヒルホテル明石閉館の真相と跡地再開発の現在地を追う
ハードウェアとしての建物は姿を消したものの、かつてのグリーンヒルホテル明石が残したソフト面の文化的価値は今も市民の記憶に色濃く残っています。
特に定評があったのが、館内レストランで提供されていた上質なランチです。日本料理や西洋料理の本格的なコースを気兼ねなく楽しめる場として重宝され、七五三やお宮参り、両家の顔合わせといった人生の節目には欠かせないステージでした。「明石で少し改まった席を設けるならグリーンヒル」という共通認識が地域に根付いていました。
また、夏期にオープンしていた屋上ビアガーデンは、明石城の豊かな緑や明石海峡の気配を感じられる開放的な空間として、近隣の会社員や家族連れで連夜の賑わいを見せていました。ネット上の口コミや地域掲示板には、営業終了に際して数多くの惜別の声が寄せられました。
「両親がここで結婚式を挙げ、自分自身も成人祝いの食事会で利用した場所。なくなるのは本当に寂しい」
「遠方からの親族を泊める際、ここを選べば間違いがないという安心感があった」
地元に根ざしたコミュニティホテルとしての存在感は、画一的な全国チェーンホテルでは代替し得ない温もりを持っていたことが伺えます。