なぜ神社の鳥居は赤いのか?本来の意味と種類・正しい作法の真相に迫る
神社参拝における一連の所作には、すべて明確な理由が存在します。観光地化された神社では見落とされがちですが、鳥居の前で行う作法を理解することは、参拝体験の質を劇的に変えます。
まず基本となるのが鳥居一礼の作法(一揖・いちゆう)です。鳥居をくぐる直前に一度立ち止まり、帽子やサングラスを外して姿勢を正し、約15度から30度の角度で浅く一礼します。他人の家を訪問する際に玄関先で「ごめんください」と挨拶をするのと同様の礼節です。
参道を進む際、鳥居の真ん中を歩かない理由は、参道の中央が「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通り道と定められているためです。参拝者は中央を避け、左右どちらかの端(左側または右側)を進むのが正式なマナーです。
さらに現場の神職が重んじる足運びの作法として、「内側の足(進退の作法)」があります。参道の左端を歩く場合は「左足」から踏み出し、右端を歩く場合は「右足」から踏み出します。これには「神様がいらっしゃる中央に対してお尻や体幹の死角を向けず、敬意を保ちながら進む」という身体作法の意味が込められています。
神社関係者への聞き取り調査によると、「厳格な作法に縛られて緊張しすぎる必要はありませんが、真ん中を堂々と闊歩することや、スマートフォンを見ながら一礼なしで鳥居を通過することは避けていただきたい」という声が多く聞かれます。参拝を終えて境内を出る際も、振り返って本殿に向かい、最後の一礼を行ってから立ち去るのが最も美しい作法です。