バイトの休憩時間は給料が出る?電話番や天引きの違法性をプロが徹底解説
アルバイトのシフトに入った際、「休憩時間の1時間はなぜ時給がつかないのか」と疑問を抱いた経験を持つ人は少なくありません。この疑問を解き明かす鍵は、バイト休憩時間労働基準法の根幹をなす「労働基準法第34条」に定められたルールにあります。
日本の労働法制において、賃金は「使用者の指揮命令下に置かれている労働時間」に対して支払われる対価と定義されています。そのため、バイト休憩時間無給の理由は極めて明確で、「労働者が労働から完全に解放され、自由に行動できる時間」だからです。権利として完全に自由が保障されている以上、その時間は労働義務が存在せず、結果として給与が発生しない仕組みになっています。
しかし、無給が法的に認められるためには、労働基準法第34条休憩の原則として定められた「3大原則」を企業側が完全に遵守していなければなりません。
第1に「途中付与の原則」です。休憩は始業前や終業後ではなく、必ず勤務時間の途中に与えられなければなりません。例えば「8時間勤務だから休憩なしで1時間早く帰る」という運用は、労使の合意があっても法的には原則無効となります。
第2に「一斉付与の原則」です。原則として事業場の全従業員に同時に休憩を与えなければなりませんが、飲食店や小売業、医療福祉業などのサービス業では、労使協定の締結や交替制勤務によって個別付与が認められています。
第3に、最も現場で軽視されやすい「自由利用の原則」です。休憩時間中の過ごし方は労働者の完全な自由であり、事業所からの外出を不当に制限したり、業務の準備を指示したりすることは原則許されません。この原則が崩れた瞬間、その時間は無給の「休憩」ではなく、有給の「労働時間」へと性質を変えることになります。