日常を愛おしく変える作家・古賀及子の正体|経歴と家族の魅力に迫る
古賀及子の名を世に広く知らしめた最大のプラットフォームは、間違いなく「デイリーポータルZ(DPZ)」だ。2003年頃からライターとして参加し、のちに編集部員として正式に合流。名物編集長である林雄司をはじめとする個性派クリエイターたちと共に、約20年にわたってサイトの運営と記事制作を牽引してきた。
DPZ時代における古賀及子の記事は、大掛かりな仕掛けや奇をてらった冒険よりも、日常の些細な疑問や偏愛を掘り下げるアプローチで異彩を放っていた。たとえば、スーパーの特売チラシを真剣に読み込んだり、家族の何気ない言動の面白さをレポート風に仕立てたりと、彼女の手にかかると「どこにでもある退屈な風景」が突如としてエンターテインメントへと変貌する。このメディアで培われた「読者を飽きさせずに読ませ切る構成力」と「自虐に寄りすぎない絶妙な自意識のコントロール」が、現在のエッセイの根底に流れている。
2026年代に入り、古賀は長年勤めたデイリーポータルZを退職し独立。ひとりの文筆家として巣立つ決断を下した。長年のファンにとってはひとつの時代の節目となったが、編集者という裏方の業務から解き放たれたことで、彼女の作家としてのポテンシャルはさらに大きく開花することになった。