サリバン先生の真の狙いとは?ハウルとの知られざる裏設定の真相

サリバン先生の真の狙いとは?ハウルとの知られざる裏設定の真相の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

映画をより深く味わう上で見逃せないのが、イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる児童文学の原作小説『魔法使いハウルと火の悪魔』との設定改変だ。原作に登場するサリマン(Suliman)はそもそも女性ではなく、高位の男性宮廷魔法使いとして描かれている。しかも原作でのサリマンは、物語の開始時点で荒地の魔女の罠に落ち、行方不明となっている被害者側の人物だ。

スタジオジブリのアニメーション化に際し、宮崎監督は原作に登場するハウルの厳格な女性魔法師匠「ペンステムン夫人」の威厳と、宮廷魔術師「サリマン」の権力構造を大胆に融合させた。その結果誕生したのが、慈愛に満ちた教育者の顔と、軍事国家を裏から動かす冷徹なフィクサーの顔を併せ持つ「マダム・サリバン」という唯一無二のキャラクター造形である。この改編によって、師と弟子の個人的な葛藤がそのまま国家規模の動乱へと直結する、重厚なドラマツルギーが完成した。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。