高橋まつりさんはなぜ辞めなかったのか?過労死に追い詰めた心理の罠

高橋まつりさんはなぜ辞めなかったのか?過労死に追い詰めた心理の罠についての最新情報を徹底解説します。

東京大学文学部を卒業後、2015年4月に大手広告代理店の株式会社電通へ入社した高橋まつりさん。彼女が配属されたのは、急速に拡大していたインターネット広告を担当するデジタル・アカウント業務の部署でした。

試用期間を終えて本採用となった同年10月以降、部署の人員削減と業務量の急増が重なり、労働環境は一気に悪化します。三田労働基準監督署の調査によって認定された1ヶ月の時間外労働は約105時間に達し、連日のように早朝の帰宅や会社への泊まり込みが常態化していました。

さらに深刻だったのが、電通社内に蔓延していた残業時間の隠蔽工作です。当時は月間残業時間の上限を定めた「36協定」の枠内に収めるため、実際の勤務時間よりも少なく申告させる過少申告が慣習化していました。記録上は業務終了としながら実際にはオフィスに残り、あるいは持ち帰り残業を強いられる構造が、彼女の逃げ場を完全に奪っていったのです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。