ジャックオーランタンのイラスト決定版!無料素材と簡単な描き方・由来

ジャックオーランタンのイラスト決定版!無料素材と簡単な描き方・由来の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

今や世界中で「ハロウィンの象徴=オレンジ色のカボチャ」として定着していますが、その起源に迫ると、現代のデザイン常識を覆す歴史的事実が存在します。民俗学的なジャックオーランタン由来歴史を紐解くと、本来使われていた作物はカボチャではなく、白い「カブ(蕪)」でした。

ハロウィンの起源は、古代ケルト民族のドルイド教における秋の収穫祭兼新年祭「サウィン(Samhain)」に遡ります。ケルト暦で一年の終わりとされた10月31日の夜は、死者の魂とともに悪霊や魔女がこの世を訪れる境界線が曖昧になる夜と信じられていました。人々は悪霊から身を守るため、魔除けとして中をくり抜いたカブに火を灯し、恐ろしい顔を刻んで戸口に置いたのです。

「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern=ランタン持ちのジャック)」という名称の由来となったアイルランドの民間伝承「けちなジャック(Stingy Jack)」の物語は、極めて教訓的です。

生前、悪知恵を働かせて悪魔を幾度も騙し、「死んでも地獄に落とさない」という契約を取り付けた鍛冶屋のジャック。しかし、生前の悪行ゆえに死後は天国に入ることが許されず、かといって約束により地獄にも受け入れられませんでした。行き場を失ったジャックの魂は、悪魔から投げ与えられた地獄の残り火を、道端のカブをくり抜いたランタンに収め、最後の審判の日まで暗闇の荒野を永遠に彷徨い続けているとされています。

では、なぜカブからオレンジ色のカボチャへと置き換わったのでしょうか。その転換点は19世紀半ばの「アイルランド大飢饉(1845〜1852年)」に伴うアメリカへの大量移民でした。新天地アメリカへ渡ったアイルランド移民たちは、自国の伝統儀式を続けようとしましたが、当時のアメリカではカブよりもカボチャ(パンプキン)のほうが圧倒的に手に入りやすく、かつサイズが大きくて加工が容易だったため、急速にカボチャのランタンへと姿を変えていきました。

認知心理学および視覚文化論の観点から見ると、カブの青白い不気味さから、カボチャの持つ「暖かみのあるオレンジ色」と「丸みを帯びた有機的なフォルム」へと変化したことが、恐怖の対象を「愛嬌のある不気味さ(Spooky & Cute)」へと昇華させ、世界的なポップカルチャーへと拡大した最大の要因と言えます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。