適応障害の診断書がもらえない真相とは?医師が拒否する理由と対処法

適応障害の診断書がもらえない真相とは?医師が拒否する理由と対処法について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。

患者側からしばしば聞かれるのが、「診察代を払っているのに、診断書を書いてくれないのは違法ではないのか」という疑問です。この背景には、医療法制上の厳格なルールが存在します。

医師法第19条第2項には、「診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない」と規定されています。いわゆる医師の診断書交付義務です。しかし、ここで極めて重要なのが「正当な事由」の解釈です。

厚生労働省の通達および裁判例において、「自らの医学的判断に基づき、患者が主張する病態に該当しないと確信している場合」や「休業加療が必要な状態とは医学的に認められない場合」は、明確に「正当な事由」に該当します。もし医師が、休業の必要性がないと判断しているにもかかわらず患者の強い懇願に流されて休職指示の診断書を発行した場合、刑法第160条の虚偽診断書等作成罪に問われるリスクすら生じるのです。

現在、企業の人事労務部門のコンプライアンス意識は極めて高くなっており、提出された診断書に対して「医学的休業の必然性」について主治医へ照会がかけられるケースも珍しくありません。精神科医が診断書の一筆に背負う法的・社会的責任は、受診者が想像する以上に重いのが偽らざる実態です。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。