怪優・殿山泰司が遺した狂気と哀愁!日本映画界を揺るがした真実
新藤作品にとどまらず、日本映画のアヴァンギャルドを牽引した鬼才たちもまた、殿山の放つ異様な磁場に魅了された。大島渚監督が性と生の本質を過激に問いかけて世界を騒然とさせた『愛のコリーダ』において、殿山は物語の土台を支える娼館の男として登場し、猥雑でありながら乾いた独特のリアリティを刻み込んだ。
一方、人間の底知れぬ生命力を泥臭く描き続けた巨匠・今村昌平もまた、彼を重用した一人だ。カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した『楢山節考』をはじめとする今村作品群において、殿山の演じるキャラクターは過酷な寒村や僻地の風土に完全に同化していた。演技を超えて「その土地の土くれ」として息づくような圧倒的なリアリズムは、国内外の批評家を驚嘆させた。