トロリーバスとは?バスなのに鉄道扱いの理由と日本全滅の真相
トロリーバスは、正式名称を「無軌条電車(むきじょうでんしゃ)」と呼びます。文字通り「軌条(レール)が無い道路上を走る電車」を意味しており、上空に張られた架線から電気を取り込んでモーターを回し、ゴムタイヤで走行する車両です。
一般的な路面電車や鉄道車両は、屋根上の架線(プラス極)からパンタグラフで電気を取り、車輪を通じて鉄のレール(マイナス極・アース)へと電流を戻します。ところが、トロリーバスが走る路面には電気を通すレールが存在しません。車輪も電気を通さないゴムタイヤです。そのため、屋根上にはプラス用とマイナス用の2本の架線が平行して張られており、車両側も「トロリーポール」と呼ばれる2本の集電棒を架線に押し当てて回路を形成する仕組みになっています。
この集電構造こそが、トロリーバス最大の特徴であり、同時に最大の弱点でもありました。トロリーポールは左右にある程度動く柔軟性を持っているため、架線の真下から左右数メートル程度は車線を変更して障害物を避けることができます。しかし、急激な進路変更を行ったり架線の分岐点で速度を出しすぎたりすると、ポールが架線から外れる「離線」という現象が発生します。一度離線すると車内への電力供給が断たれ、その場に立ち往生してしまうため、運転士や車掌が車両後方に降りてロープを手動で操作し、ポールを架線に戻す作業が必要でした。