水谷豊の子役時代とバンパイヤ秘話!天才と呼ばれた挫折と復活の軌跡
『バンパイヤ』の成功によって将来を嘱望された水谷豊でしたが、高校卒業を控えた18歳の頃、突如としてすべての芸能活動を停止します。世間からは「順風満帆だった若手ホープの失踪」と囁かれましたが、その裏には思春期特有の深刻なアイデンティティクライシスがありました。
後年の自著や特番インタビューにおいて、水谷自身はこの時期の心境を「子どもの頃から大人の言う通りに演じるうちに、何が本当の自分で、何が作り物なのか分からなくなってしまった」と率直に告白しています。周囲から「天才」「将来の大スター」と持て囃されるほど、心の内側にある空虚さは広がっていきました。
「このまま大人の都合で作られたレールの上を歩いてはいけない」と思い詰めた水谷は、劇団を辞めて芸能界を離れ、大学進学を目指して浪人生活に入ります。アパートを引き払い、所持金わずかで各地を転々としながらアルバイトに明け暮れる日々。役者としての特権意識をすべて捨て去り、社会の底辺で生身の人間として汗を流したこの数年間こそが、のちに人間臭い名演を生み出す土台となったのです。