法線とは?接線との違いから3Dcgや物理での重要性まで徹底解明
高校数学の微分法から大学初年次の線形代数・多変数微積分において、法線を正確に立式するスキルは必須の基礎学力に位置づけられています。2次元平面の曲線における法線の方程式から、3次元空間の平面の法線ベクトルまで、頻出の公式とその導出プロセスを整理します。
1. 高校数学微分と法線の方程式
2次元座標平面上のなめらかな曲線 $y = f(x)$ において、点 $(a, f(a))$ における接線の傾きは微分係数 $f'(a)$ で表されます。2本の直線が垂直に交わるとき、互いの傾きの積は $-1$ になるという幾何学的性質があるため、$f'(a) \neq 0$ のとき、法線の傾きは $-\frac{1}{f'(a)}$ と導かれます。これにより、接線と法線の方程式のうち法線側は以下の計算式で成立します。
y - f(a) = - \frac{1}{f'(a)} (x - a)
2. 平面の法線ベクトル公式
3次元空間における平面を定義する際、法線ベクトルは決定的な役割を果たします。空間内の1点 $P_0(x_0, y_0, z_0)$ を通り、法線ベクトル $\vec{n} = (a, b, c)$ に垂直な平面上の任意の点を $P(x, y, z)$ と置くと、ベクトル $\vec{P_0P} = (x - x_0, y - y_0, z - z_0)$ は $\vec{n}$ と常に直交します。直交する2つのベクトルの内積は必ず $0$ になるため、以下の平面の法線ベクトル公式が導かれます。
a(x - x_0) + b(y - y_0) + c(z - z_0) = 0 \quad \Longrightarrow \quad ax + by + cz + d = 0
方程式を展開した際の係数 $(a, b, c)$ そのものが、その平面の法線ベクトルの成分に直結しています。空間幾何において、平面の傾きや向きを議論する際は、平面そのものの方程式を追うよりも、法線ベクトルを抽出して計算するアプローチが標準的です。
3. 法線ベクトル内積の計算方法と角度判定
2つの面が交わる角度(二面角)や、光線ベクトルとの入射角を割り出す際には、法線ベクトル内積の計算方法を活用します。2つの法線ベクトル $\vec{n}_1$ と $\vec{n}_2$ のなす角 $\theta$ は、ベクトルの内積の定義式から逆算します。
\cos\theta = \frac{\vec{n}_1 \cdot \vec{n}_2}{|\vec{n}_1| |\vec{n}_2|}
大きさを $1$ に揃える「正規化(単位ベクトル化)」をあらかじめ行っておけば、分母の計算を省略し、内積値そのものが直接 $\cos\theta$ の値となります。この簡潔な計算アルゴリズムが、後述するリアルタイムグラフィックス処理で膨大に活用されています。