クラリネット運指表決定版!高音の裏返り防止とプロ直伝の替え指極意

クラリネット運指表決定版!高音の裏返り防止とプロ直伝の替え指極意の注目されている理由を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

吹奏楽部の練習場や個人のレッスン室で最も頻繁に聞かれる悲鳴が、「レジスターキーを押した瞬間にピピッ、ギャッという不快な異音が鳴る」「高音のドやレに上がるときに音が裏返って下の倍音が鳴ってしまう」という悩みです。多くの奏者はこれを「指が塞がりきっていないせいだ」と自己判断し、指先を痛めるほど力任せに楽器を握りしめてしまいます。しかし、クラリネット高音が出ない理由の真相は、指先以外の2つの要素にあります。

原因1:下唇の「噛みすぎ」によるリードの振動停止

高い音を出そうと意識するあまり、無意識のうちに下アゴを突き上げ、下唇でリードを強く噛み締めてしまう現象です。アンブシュアが過度に緊張すると、高音域を鳴らすために必要なミクロ単位のリードの隙間が塞がれ、倍音の節(ノード)が破壊されます。結果としてリードが悲鳴を上げるように異常振動し、甲高い裏返り音が発生します。プロの現場では「噛む力ではなく、口輪筋全体でストローを均等に包み込むような全方位の締め付け」が鉄則とされています。

原因2:口腔内容積(ヴォイシング)と呼気のスピード不足

音響工学の観点から見ると、クラリネットの管内と奏者の口の中は共鳴管として一体化しています。低音域を吹くときの「トォー(口の中が広い状態)」のままレジスターキーを開けても、高音の第3・第5倍音は励振されません。舌の中央を持ち上げ、ドイツ語の「ヒ(ch)」や英語の「イ(ee)」を発音する時のように舌の位置を高く保つことで、息の通り道を狭めて流速(スピード)を一気に加速させる必要があります。これができていないと、運指が合っていても気流が倍音の周波数と噛み合わず、音がひっくり返る原因になります。

レジスターキー使い方の誤謬:押すのではなく「添える」

左手親指のトーンホール(裏穴)を塞いだ状態から、親指の先端を少し上方に転がすようにして操作するのがレジスターキー使い方の基本です。親指全体を持ち上げてキーを叩くように押すと、親指のトーンホールに隙間が生じてピッチが壊滅します。親指の腹で穴を完全にカバーしたまま、親指の第1関節の屈伸を使ってスマートにレバーへ触れる――このミリ単位の身体操作が、高音を滑らかに当てるための絶対条件です。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。