日本の腕時計メーカー格付けと実力|世界が驚愕する技術の現在地
三大メーカーの巨大資本とは対照的に、2026年の時計界で最もエキサイティングな領域を形成しているのが、日本のアカデミー独立時計師たちです。
独立時計師アカデミー(AHCI)の正会員である浅岡肇氏は、大型旋盤を自ら操り、CAD設計から歯車一つひとつの切削までを手がける世界屈指のマエストロです。同氏が手掛ける個人製作時計「TSUNAMI」や「トゥールビヨン」は数千万円の値が付き、数年待ちが当たり前の状態が続いています。さらに、浅岡氏がデザイン監修と精度追い込みを行い、セイコーインスツル製汎用ムーブメントを高精度にチューニングして供給するプロジェクト「クロノ東京(Kurono Tokyo)」は、世界的な争奪戦を引き起こし、発売からわずか数分で完売する現象を繰り返しています。
また、日本固有の不定時法を機械式時計で再現した和時計の最高峰を創出する菊野昌宏氏や、削り出しの端正なケースと美しい手彫りダイアルで世界中のヴィンテージ愛好家を虜にする飛田直哉氏(Naoya Hida & Co.)など、日本の独立系は「大量生産の工業製品」という日本の旧来のイメージを完全に払拭しました。部品を外注して組み立てるだけのスイス製プライベートブランドを横目に、工作機械のプログラミングから最終研磨までを少人数で完結させる彼らの姿勢こそ、マニュファクチュール日本の真骨頂です。