タコライスの「タコ」とは蛸じゃない?沖縄発祥の驚きの真相
タコライスに関して最も頻繁に見られる誤解は、「メキシコ料理の一種をご飯に乗せただけ」という認識です。しかし、食文化の系譜を正確に辿ると、そこには3段階の文化変容が存在します。
第1段階は、メキシコの伝統的なタコスがアメリカ南西部(テキサス州など)に渡り、ハードシェル(揚げたトウモロコシ皮)や挽き肉、チェダーチーズを用いる「テクス・メクス料理(アメリカナイズされたメキシコ風料理)」へと変化したことです。
第2段階は、第二次世界大戦後の米軍統治下にあった沖縄に、米兵たちのソウルフードとしてテクス・メクス風タコスが持ち込まれたことです。
そして第3段階として、金武町の儀保氏がテクス・メクスの具材を日本の米飯に融合させました。つまり、タコライスはメキシコ直輸入ではなく、「アメリカの食文化」を経由して「沖縄の米飯文化」と結びついた完全なハイブリッド料理です。実際、メキシコ現地のレストランで「Taco Rice」と注文しても通じることはまずありません。
なお、ネット上では「タコが入っていないのは詐欺だ」という冗談交じりの投稿から派生し、本当に海鮮の蛸を入れたタコライスを町おこしで試作した地域(兵庫県明石市や熊本県天草市など、タコの名産地)のイベント事例も散見されます。しかし、それらはあくまでパロディ企画であり、本流のタコライスとは区別されています。