息をのむ虐待漫画の真実、毒親と実話が生む衝撃作の深層に迫る

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実体験に基づくコミックエッセイの潮流を語るうえで、菊池真理子の存在を外すことはできない。『毒親サバイバル』をはじめとする一連の著作は、機能不全家族の中で育った当事者たちの生々しい肉声をすくい上げ、世に突きつけた。

血縁という名の呪縛。それは外から見れば「教育熱心な家庭」や「少し厳格な親」という言葉で容易に隠蔽されてしまう。だが、その内側で子どもが受けている精神的な搾取や否定の重さは、生存を脅かすレベルに達していることが多い。菊池真理子の筆致は、過度な被害者意識に溺れることなく、冷徹なまでの観察眼でその構造を解体していく。読者は作品を通じて、かつて自分が味わった説明のつかない違和感の正体に名前を与えられ、救出されるのだ。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。