パゾリーニ怪死の真相と傑作選!ソドムの市・テオレマに見る異才の魂
1922年、イタリア北部のボローニャに生まれたパゾリーニは、まず詩人としてそのキャリアをスタートさせました。第二次世界大戦中、母の故郷であるフリウリ地方の方言を用いた『カザルサ詩集』を発表。中央の標準語に抗い、周縁の土着的な文化や民衆の純朴さに美を見出す姿勢は、彼の表現活動における生涯の原点となります。
第二次大戦後はイタリア共産党(PCI)に入党するものの、自身の同性愛を理由に公職を追われ、共産党からも除名処分を受けるという過酷な試練に見舞われました。しかし、この排除の経験こそが、パゾリーニを「体制にも既成の反体制派にも属さない孤高の異端者」へと鍛え上げたのです。
1950年代にローマへ移住した彼は、スラム街に暮らす貧困層の若者たちと生活を共にし、小説『暴力的な生』などで文学的成功を収めます。そして1961年、満を持して映画監督デビュー作『アッカトーネ』を発表。プロの俳優を使わず、本物のチンピラや売春婦を起用した生々しい映像美は、従来のネオレアリズモを超えた宗教画のような荘厳さを醸し出し、批評家たちに強烈な衝撃を与えました。