キャッチャーミット型付けの極意|芯を潰さず理想のポケットを作る全技術
キャッチャーミットにおいて二大巨頭として君臨する「ハタケヤマ」と「ミズノプロ」。両者は革の鞣し(なめし)技術や設計思想が根本から異なるため、型付けにおけるアプローチも明確に変える必要があります。
ハタケヤマ キャッチャーミット 型付けにおいて最も求められる美徳は「忍耐」です。ハタケヤマが誇るスペシャルジャパンハイド(和牛革)は、他社製品とは比較にならないほどの繊維密度と硬度を誇ります。捕手出身のプロ関係者が口を揃えるように、「ハタケヤマは半年から1年かけて育てるもの」という認識が正解です。安易な湯もみを行うと、和牛特有の締まった革質が水分を含んで膨張し、代名詞である「甲高い捕球音」が濁ってしまうリスクがあります。ハタケヤマに関しては、スチーム加工で初期の開閉補助をつける程度に留め、あとは日々のキャッチボールとグラブハンマーによる叩き込みでじっくりと育て上げる手法が、最もミットのポテンシャルを引き出せます。
対照的に、ミズノプロ キャッチャーミット(プレキシーキップレザーやジマニティレザーなど)は、手にした瞬間からしっとりとした質感と適度な柔軟性を兼ね備えています。ミズノが長年培ってきたパターン設計技術により、手を入れたときのフィット感が高く、型付けの浸透もスムーズです。スチーム加工との相性が抜群で、プロショップでの加工後、1〜2週間のキャッチボールですぐに実戦配備できる扱いやすさがあります。親指を起点としたボックス型、あるいは中央で挟み込むナチュラルバック型など、プレイヤーの捕球スタイルに応じた柔軟なポケット形成が可能です。