栄光の陰に秘められた愛憎。昭和の巨星が遺した絆と真相の全貌
過熱する報道合戦のなかで、スポーツメディア業界は長年にわたり彼らの日常を切り売りしてきた側面がある。スポーツノンフィクションの著者の間では、一連の報道狂騒曲が家族に与えた影響についての再検証が進んでいる。テレビカメラの前で見せる明るいキャラクターの裏で、個々のメンバーがどれほどの孤独と戦ってきたのかが、綿密なインタビュー取材によって紐解かれている。
ジャーナリスティックな視点からの解明は、単なるスキャンダリズムとは一線を画す。一人の人間としての長嶋茂雄が家庭でどのような言葉を残し、また息子・一茂がどのような決断を経て自らの足で立つに至ったのか。現在進行形で語られるこれらのエピソードは、人間ドラマとしての深みを備えた優れた人物ルポとして結実している。