牽連犯とは?犯罪の手段と結果が招く量刑のカラクリと併合罪の差
Q1:牽連犯と併合罪では、懲役刑の上限はどのくらい変わりますか?
A1:明確に異なります。牽連犯が適用される場合、成立した複数の罪のうち「最も法定刑が重い罪の上限」がそのまま処断刑の上限となります(例:上限10年の罪と上限3年の罪なら上限10年)。一方、併合罪の場合は刑法第47条により、重い方の罪の長期にその半分を加える「1.5倍加重」が適用されるため、上限10年の罪であれば最大15年まで刑期が引き上げられます。
Q2:強盗に入る目的で住居侵入し、住人に怪我をさせた場合もすべて牽連犯になりますか?
A2:住居侵入罪と強盗致傷罪の間には手段と結果の牽連関係が認められ、科刑上一罪となります。ただし、強盗致傷罪(刑法240条前段)はそれ単体で「無期又は6年以上の懲役」という極めて重い法定刑が設定されているため、牽連犯として最も重い強盗致傷罪で処断されるとしても、結果として極めて重い実刑判決が下されることになります。
Q3:万引き(窃盗)をして逃走する際に警備員を殴った場合は牽連犯になりますか?
A3:牽連犯にはなりません。窃盗犯が財物を取り返されるのを防ぐため、または逮捕を免れるために暴行・脅迫を行った場合、刑法第238条の「事後強盗罪」という全く別の独立した単一の重罪が成立します。手段と結果というより、法律そのものが暴行行為を強盗罪と同視する特別規定を置いているためです。