知的障害はなぜ生まれるのか?原因・遺伝の真相と判明時期を徹底解説
知的障害(Intellectual Disability)とは、一般に18歳以前の発達期に発症し、知的能力(おおむねIQ70以下)および日常生活や社会生活に適応する能力に明らかな制限が生じる状態を指します。医学的には、発症時期と病態に基づき、大きく分けて「出生前(受精〜胎児期)」「周産期(出産前後)」「出生後(乳幼児期以降)」の3大要因に分類されます。
最も高い割合を占めるのが出生前の要因です。これには、受精卵が形成される段階での偶発的な染色体異常や遺伝子変異、胎内感染、母体の代謝異常などが含まれます。厚生労働省の小児慢性特定疾病データや日本小児神経学会の臨床報告によると、原因が特定できる知的障害のうち、染色体や遺伝子に関わる要因が過半数を占めています。
第2の要因は周産期異常です。出産時の重度仮死に伴う低酸素脳症、極低出生体重(早産)による頭蓋内出血や脳室周囲白質軟化症(PVL)などが挙げられます。現代の周産期母子医療センターの整備によって新生児死亡率は世界最低水準まで改善したものの、不可抗力による微小な脳損傷を完全に防ぐことは現代医療でも依然として困難な課題です。
第3の要因は出生後の疾患や外傷です。乳幼児期に罹患した細菌性髄膜炎、急性脳症、激しい頭部外傷、重度の中毒などが該当しますが、全体から見れば極めて少数派です。さらに、詳細なゲノム解析を行っても現代の医学水準では明らかな異常が検出されない「特発性(原因不明)」の症例も全体の3〜4割存在します。