シン・エヴァ結末の舞台「宇部新川駅」庵野秀明が選んだ真の理由

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なぜ、物語の結末は世界の中心都市でも架空の近未来都市でもなく、ここ山口県宇部市だったのか。庵野秀明監督が率いるアニメーション制作会社、株式会社カラーが解き放った『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の終盤、成長したシンジとマリがホームから走り出す場所こそが宇部新川駅だ。

この選定の裏には、庵野監督自身の原体験が深く関わっている。宇部市は監督の生まれ故郷であり、幼少期から青年期にかけての感性を育んだ土壌だ。工業都市として発展してきた宇部の風景——複雑に入り組んだ線路、どこか無骨でノスタルジックな構造物——は、エヴァンゲリオンという巨大な世界観の視覚的ルーツそのものだった。物語の終焉において、現実の故郷へとカメラを向ける行為は、作中の「エヴァンゲリオンのない世界(ネオンジェネシス)」を完成させるための不可欠な儀式であったと言える。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。