木更津の赤い橋・中の島大橋の伝説と現在|日本一高い歩道橋の真実
木更津港の内港と、東京湾に浮かぶ無人島「中の島公園」を直結する中の島大橋。1975年(昭和50年)の完成以来、半世紀にわたり港のランドマークとして君臨し続けています。最大の特長は、歩行者専用の橋として国内最高地点を誇るその圧倒的な構造規模にあります。
木更津市および千葉県港湾課の記録によると、橋の全長は236メートル、最高地点の高さは海抜27.125メートルに達します。ビルの高さに換算すればおよそ8階から9階建てに相当し、一般的な河川にかかる歩道橋とは比較にならない威容を誇ります。なぜ、車が通行しない歩行者専用の橋が、これほどの高層建築として設計されたのでしょうか。
その決定的な理由は、橋の下を通過する船舶の航路制限にあります。中の島大橋が架かる木更津港の内港は、当時から木更津船溜まりとして漁船だけでなく、流通を支える比較的大型の貨物船や警戒船が頻繁に行き交う要衝でした。港湾機能を維持しつつ対岸の島へ歩行者を安全に渡すため、船舶のマストが干渉しない桁下クリアランス約25メートルを確保する必要があったのです。大型船の通航路確保という実用的な港湾土木の要請が、期せずして「日本一」の称号を生み出す原動力となりました。