猛烈な腹痛で出ない時の原因と対処法|救急搬送の基準と即効ワザ
「お腹が痛いのに出ないのは一体なぜ?」という疑問に対し、最も警戒しなければならないシナリオが、物理的または機能的に腸管が完全に閉塞する腸閉塞(イレウス)です。過去に開腹手術(虫垂炎、帝王切開、胆嚢摘出など)を受けた経験がある人は、年数が経過していても術後の癒着によって腸閉塞を発症するリスクを常に抱えています。
腸閉塞の初期症状を見極める最大のポイントは、「排便だけでなく、おなら(排ガス)も完全に停止したかどうか」です。腸管が途中で完全に塞がれると、便はもちろん気体すら通過できなくなります。内容物が逆流し始めるため、吐き気や冷や汗を伴う腹痛が周期的に襲い、やがて胆汁を含んだ緑色の液体や便臭のする胃液を嘔吐するに至ります。
激痛に耐えかねている際、医療機関へ急行すべきか、それとも救急車を呼ぶべきかの判断に迷う場面は少なくありません。総務省消防庁や各自治体の救急医療マニュアルが示す腹痛救急車を呼ぶ目安は以下の通りです。
以下の兆候が1つでも認められる場合は、躊躇せず119番通報で救急車を要請してください。
・脂汗(冷や汗)が止まらず、痛みのあまり自力で立ち上がれない、歩けない
・猛烈な痛みに加えて、激しい嘔吐を繰り返している
・お腹が板のようにカチカチに硬くなり、軽く触れただけでも飛び上がるほどの激痛が走る(筋性防御・腹膜炎のサイン)
・顔面蒼白、脈拍が異常に速い、または意識が朦朧としている
・血便(黒色タール便や鮮血便)が混じっている
「救急車を呼ぶほどではないかもしれないが、痛みが引かない」という状況であれば、全国共通の救急安心センター事業(#7119)や、小児の場合は(#8000)へ速やかに電話相談を行ってください。医師や看護師がトリアージを行い、直ちに受診すべき夜間当番医や搬送要否を判断してくれます。自己判断による我慢は、腸管の壊死や穿孔(破裂)を招き、腹膜炎から敗血症という致死的な経過をたどるリスクがあることを肝に銘じておく必要があります。