受療率とは?有病率や罹患率との違いと最新推移を統計から徹底解説
受療率の公的なよりどころとなるのは、厚生労働省が3年に1度の大規模調査(中間年は簡易調査)として実施している「患者調査」です。明治期以来の統計を源流とし、昭和28(1953)年から現在の体系で継続されている国の基幹統計です。
患者調査における人口10万対受療率の計算式は、次のように定義されています。
人口10万対受療率 = (調査日当日の推計患者数 ÷ 推計人口) × 100,000
実務上は、特定の「調査日(通常10月中旬の指定された1日)」に行われた全国の病院・診療所からの報告をもとに推計患者数を算定し、それを分母となる当該地域の人口で除算して算出します。医療政策の現場では、入院患者を対象とした「入院受療率」と、通院患者を対象とした「外来受療率」に明確に細分化して分析されます。
主要な指標の差異と用途を俯瞰できるよう、以下の比較表に整理しました。
このように並べると、受療率が担う役割の特殊性が鮮明になります。公衆衛生の計画策定において、「病気の発生を防ぐ施策」には罹患率を使い、「隠れた患者を見つけ出す施策」には有病率を使います。そして、「現在の病院ベッド数や医師・看護師の配置数が足りているかを検証する」ために不可欠なのが受療率なのです。