新田真剣佑と『ちはやふる』の真実|改名秘話・演技評価と現在の躍進
2017年3月、新田真剣佑は映画『ちはやふる -上の句- / -下の句-』の演技により、第40回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞しました。審査員および映画関係者を驚かせたのは、静寂の中に潜む圧倒的な存在感と、競技かるたのシーンで見せた鋭利なリアリズムです。
綿谷新というキャラクターは、かるたの永世名人を祖父に持ち、物静かで内向的な性格でありながら、畳の上では神がかったスピードと集中力を発揮する難役です。当時まだ日本での活動歴が浅かった新田真剣佑が下馬評を覆して高評価を得た背景には、徹底的な役作りが存在していました。
最大の壁となったのが、福井弁のイントネーションと競技かるたの所作です。ロサンゼルス生まれのアメリカ育ちである彼にとって、日本語の標準語のニュアンスだけでも繊細な調整が必要な中、福井弁特有の柔らかなイントネーションを完璧に身体へ染み込ませる必要がありました。現場関係者の証言によると、彼は福井弁指導の方言音源を毎日肌身離さず聴き込み、セリフ以外の雑談でも福井弁を使うほど徹底していたと報告されています。
さらに競技かるたの特訓では、専任指導員のもとで指の皮が剥け、膝にアザを作りながら何千回と札を払う動作を反復。畳を叩く鋭い音、読手の声に反応する0コンマ何秒の反射神経、そして眼鏡の奥で光る勝負師の眼光を完全再現し、原作者や原作ファンをも唸らせる完成度へと昇華させました。