天然痘の原因とは?根絶の真実とエムポックスとの違いを徹底解剖
天然痘を引き起こす病原体は、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に分類される天然痘ウイルス(Variola virus)です。ウイルスの中でも比較的大型の2本鎖DNAウイルスであり、環境に対する耐性が非常に高いという厄介な特性を備えています。
感染者の体内で増殖したウイルスは、主に飛沫感染と接触感染の2つのルートで周囲へと拡散しました。感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散る飛沫を吸い込むことでの伝播が中心ですが、皮膚に生じた水疱や膿疱(のうほう)の浸出液、剥がれ落ちたかさぶた(痂皮)にも大量のウイルスが含まれていました。
このウイルスは乾燥した環境でも長期間生存できるため、患者が使用した衣服や寝具、リネン類を介した間接的な接触感染も頻発しました。一度空間にウイルスが持ち込まれると、医療従事者や家族をはじめとする濃厚接触者が瞬く間に連鎖感染していく高い感染力が、パンデミックを加速させた最大の要因です。