天下りとは何か?仕組みと悪とされる理由・渡りとの違いを徹底解明
天下りとは、国家公務員や地方公務員が退職後、在職中の省庁や権限との関係が深い民間企業、独立行政法人、公益法人(外郭団体)などの幹部・顧問ポストへ再就職する慣行を指す言葉です。天界の神が地上に降り立つ神話になぞらえ、強大な許認可権を持つ「お上(官庁)」から「下界(民間・外郭団体)」へ幹部が降りていく様子を皮肉って名付けられました。
この慣行が成立してきた背景には、日本の官僚組織特有の人事制度である「早期勧奨退職慣行(いわゆる肩たたき)」が存在します。中央省庁のキャリア官僚は同期横並びで昇進していきますが、ピラミッド型の組織構造上、事務次官や局長といったトップのポストに就けるのは同期の中でわずか1人のみです。レースから外れた同僚たちは、組織の秩序と後進へのポスト譲転のために50代前半から半ばで自発的な退職を促されます。
本来であれば定年まで働けたはずのエリート官僚たちに対し、省庁側が「早期退職の見返り」として高待遇のポストを用意して斡旋してきたのが天下りの仕組みの本質です。長年にわたり官僚機構の秩序を維持するための必要悪として内部で正当化されてきた歴史的経緯があります。