『くるねこ』旅立った歴代猫の足跡とファンの涙を誘う感動追悼録
紙面から飛び出した愚連隊は、映像の世界でも異彩を放った。アニメーション制作を手掛けたスタジオディーンは、水彩画のような柔らかなタッチと独特の間を巧みに再現。テレビアニメというフォーマットでありながら、原作が持つ独特の土着感と空気感を損なうことなく映像化に成功した。
特筆すべきは、全キャラクターの声を一人で演じ分けた中谷美紀の圧倒的な表現力だ。ナレーションから作者自身、さらには愚連隊の個性豊かな猫たちの鳴き声までを自在に操り、作品に唯一無二のリズムと品格を吹き込んだ。猫たちの体温や吐息までもが画面越しに伝わってくるような短編アニメは、原作未読の層をも巻き込み、保護活動への関心を一気に広げる起爆剤となった。