なぜ彼女の言葉は今も胸を打つのか――『鬼滅の刃』胡蝶カナエが遺した「儚き理想」と不滅の救い
鬼殺隊の最高位「柱」に登り詰めながら、カナエの思考は他の剣士たちと決定的に異なっていた。鬼は殺すべき敵である。肉親を奪われ、憎悪を糧に刃を振るう隊士が大多数を占める中で、彼女は「元は人間だった鬼」の哀しみを見抜いていた。
甘ちゃんと言えばそれまでかもしれない。しかし、彼女の理想は決して空想の平和主義ではなかった。刃を握り、実力で鬼を打ち倒せる強さを持ちながら、それでもなお会話を試みる。その姿勢こそが、彼女の持つ恐ろしいほどの芯の強さを示している。