絶縁抵抗計の正しい使い方と注意点|感電事故や機器破損を防ぐ測定手順

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絶縁抵抗測定において、最も初歩的でありながら後を絶たないトラブルが「通電状態のまま測定してしまう誤配線事故」と「電子機器への過電圧印加による基板破損」です。絶縁抵抗計は、対象の回路に125V、250V、500V、1000Vといった直流高電圧を印加し、回路の被覆の破れや経年劣化によって大地へ漏れ出る微小電流をオームの法則(R=V/I)によって逆算・数値化する測定器です。

テスター(回路計)の抵抗測定レンジが数ボルトの微弱な乾電池電圧で導通を確かめるのに対し、メガーは強制的に絶縁層へ負荷をかけて絶縁破壊が起きないかを試す高圧試験機です。したがって、測定対象のブレーカーを投入したまま測定器のプローブを当てて測定スイッチを押せば、系統電源の交流電圧とメガー内部の直流電圧が衝突し、計器内部の電子回路は瞬時に焼損します。最悪の場合、測定プローブの先端でアーク放電が発生し、作業者が重度の火傷を負う事態になりかねません。

現場では「停電確認と安全対策の手順」の徹底が義務付けられています。測定前の鉄則は以下の3工程に集約されます。

  • 一次側・二次側の遮断:分電盤の主開閉器および分岐ブレーカーを完全に「切」位置にする。
  • 検電器による無電圧確認:確実な接地(アース)を取り、検電器を用いて電路が無電圧状態(0V)であることを確認する。
  • 負荷機器の切り離し:コンセントに接続されたPC、テレビ、エアコン、LED照明器具などの電子基板内蔵機器のプラグを抜くか、スイッチを遮断する。

負荷機器を電路に繋いだまま500Vメガーを印加すると、機器内部のサージ保護素子(バリスタ)が過電圧を検知して大地に電流を逃がしてしまい、正確な測定ができないばかりか、電子部品の寿命を急激に縮めたり絶縁破壊を引き起こしたりする直接的な原因となります。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。