目白の断崖絶壁は伊達じゃない——創業87年「志むら」が魅せる、和菓子と天然氷の狂熱と極致【2026年最新ルポ】
かき氷の鮮烈なビジュアルに目を奪われがちだが、志むらの真の屋台骨は、創業当時から愛され続ける看板銘菓「九十九餅(つくももち)」にこそある。
全卵を練り込んだやわらかな求肥(ぎゅうひ)に、じっくりと煮上げた虎豆(とらまめ)を散りばめ、香ばしいきな粉を惜しげもなくまぶした逸品。口に運べば、求肥の絹のようなモチモチ感と、虎豆のホクッとした食感が心地よいリズムを奏でる。余計な添加物には一切頼らず、素材そのものの風味を極限まで引き出す矜持。この愚直なまでの手仕事の積み重ねこそが、80年以上もの間、目白の地に暖簾を掲げ続けてこられた最大の理由だ。